トップページ著作権契約書>出版契約書

著作権契約手続完全マニュアル
出版契約書のポイント 

 1.当事者、著作物の特定 (著者名、書名など) 

  複製権者(著作権者)
  出版権者(出版社など)

 2.目的 (出版権・電子出版権の設定) 

  出版権とは
  頒布の目的をもって、著作物を原作のまま印刷その他の機械的または科学的方法により
  文書または図画として複製すること(紙媒体での出版)を専有できる権利 

  電子出版権とは

  1.電子計算機を用いてその映像面に文書または図画として表示されるようにする方式
    により記録媒体に記録された電磁的記録として複製すること(CD‐ROMなどパッケ
    ージ型の電子出版) 

  2.電子計算機を用いてその映像面に文書または図画として表示されるようにする方式
    により記録媒体に記録された複製物を用いて公衆送信すること(ダウンロードまたは
    ストリーミングなどインターネット配信型の電子出版)

  出版権・電子出版権設定契約により、出版権者に著作物を独占的排他的に複製する権
  利が保障され、著作権者であっても無断で複製することは禁止される。 

 3.出版権設定の登録への協力義務

  原則として出版権設定の登録は、著作権者及び複製権者の共同申請であるが、契約書
  に「著作権者が出版権の設定を登録することに承諾した」旨の文言を明記すれば、出版
  権者が単独で登録申請することができる。 

 4.出版権の存続期間に関する条項

  期間の定めがない場合、最初に出版された日から3年間で出版権は消滅する。

 5.出版の責任に関する条項

  著作権法により出版権者は、著作物を慣行に従い継続して出版する義務を負う。

  そこで、品切れの状態を長く続けているなどこの義務に違反した場合、3カ月以上の期間
  を定めて出版するするよう催告することができる。 

  その期間内に出版されない場合は、著作権者は出版権者に通知することにより出版権を
  消滅させることができる。
 

 6.独占的排他的な使用に関する条項 (二重出版を禁止する条項)

  契約の有効期間中に、著作権者による著作物の転載または出版の禁止、及び第三者へ
  の出版(二重出版)を禁止する旨を明記。

 7.類似著作物の出版を禁止する条項

 8.原稿の引渡し、発行の期日に関する条項

  原則として、出版権者は原稿の引き渡しを受けた日から6カ月以内に出版する義務を負う。

  この義務に違反した場合、著作権者は出版権者に通知することにより出版権を消滅させる
  ことができる。 

 9.内容の保証に関する条項

  「著作物が第三者の著作権、肖像権などを侵害するものではない」旨を明記。

 10.校正、費用の分担に関する条項 

  特に、自費出版、共同出版においては費用負担の範囲や割合、内訳などを明確にしておく
  必要がある。

 11.著作者人格権の取扱いに関する条項

  電子出版その他電子的に使用する場合においては必要な範囲で著作物を改変できる旨を
  明記しておくのが望ましい。

 12.著作権の表示に関する条項

   著作権者の権利を保全するため、所定の位置に、(C)のマーク、著作権者の氏名、第一発
   行年を表示させる必要がある。  

 13.増刷の通知義務等に関する条項

   原則として、出版権者は、増刷する都度、事前に著作権者への通知義務を負う。
   その際、正当な範囲内において著作物に修正または増減を加えることができる。 

 14.著作権使用料及び、支払方法、時期に関する条項  

   使用料の支払方法

   1)印税方式(定価×発行部数または実売部数×税率により使用料を計算)

    なお、一般に税率は10%(電子出版は30%〜70%)が慣行となっている。  

   2)原稿料方式 

 15.発行部数等の報告に関する条項 

  著作権使用料が適正に支払われていることを確認するため、出版権者に発行部数または売
  上部数の報告を求めたり、著作権者が会計帳簿など証拠書類を閲覧できる旨を明記しておく
  べきである。

 16.全集その他編集物への収録に関する条項

   原則として、著作権者は契約期間中の複製は禁止される。

   例外として、著作権者が死亡した場合は、遺族などが無条件で記念集などに収録して複製す
   ることができる。 
 

   また、最初に出版してから3年が経過した場合も、原則として全集その他の編集著作物に収
   録して複製することができる。 

 17.複写に関する条項 

   原則として、出版権者は著作物の複製を第三者に許諾することはできない。

   そこで、(公社)日本複製権センターに対し、複写権の管理を委託することができる。

 18.二次的使用に関する条項 

   紙媒体での出版または電子媒体による発行、インターネット配信、データベース化など電子
   出版以外の、翻訳出版、ダイジェスト版の発行など二次的使用についての対応を明記。

 19.出版権消滅後の対応に関する条項

   原則として、出版権の存続期間の満了または消滅した後は出版物を頒布することはできない。

 20.著作権または出版権の譲渡、質入の可否に関する条項

 21.原稿の紛失、災害などの不可抗力に対する対応に関する条項 

 22.秘密保持に関する条項

  「契約の履行に関し知り得た秘密情報を第三者に開示することを禁止する」旨を明記。

 23.個人情報の取扱いに関する条項

  「著作物の出版及びそれに付随する業務において知り得た個人情報の目的外使用の禁止、
   漏洩、改竄の防止、それから第三者提供を原則として禁止する」旨を明記。  

 24.契約の解除、有効期間、自動更新などに関する条項 

 25.契約内容の修正、変更に関する条項

  「書面によってのみ」変更できる明記するのが望ましい。 

 26.合意管轄 (第一審の専属管轄裁判所の指定) 


                                          お問い合わせ 

  著作権譲渡契約書のポイント 

  著作権ライセンス契約書のポイント 

  著作物製作委託契約書のポイント 

  サポート内容 

  契約書作成のメリット



        Copyright (C) 2006-2024 Yuko Ito All Rights Reserved.