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著作権契約手続完全マニュアル
著作権ライセンス契約書(著作権使用許諾契約書)のポイント

例えば、プログラム(ソフトウェア)使用許諾契約書、音楽著作権使用許諾契約書
      写真著作権使用許諾契約書、イラスト・キャラクター著作権使用許諾契約書
      出版許諾契約書、映像・映画著作権使用許諾契約書 

      原盤供給契約書、商品化権許諾契約書 など


 1.契約の当事者、目的、用語の定義

   許諾をする者(ライセンサー) 
   許諾を受ける者(ライセンシー)

  専門用語は、契約内容について誤解が発生しないよう意味内容、解釈、範囲など
  を明確にしておく必要がある。 

 2.著作物の特定、保証に関する条項

  「当該著作物が第三者の著作権等を侵害するものでない」旨を明記

 3.使用許諾に関する条項

   使用許諾される地域、期間、更新の有無
   使用方法、使用目的外の使用禁止
  著作物の複製、権利譲渡の可否
   権利の独占、非独占
   サブライセンス(再許諾)の可否

 4.著作権使用料(ロイヤリティ)に関する条項

   金額、計算方法
   支払方法
   支払時期 

 5.源泉徴収税の支払いに関する条項(外国と取引する場合は必須条項)

  外国居住者への使用料(ロイヤルティ)の支払いには、源泉徴収税が課税される。
  税率は、原則として金額の20%であるが、日本との間で租税条約(所得税に関す
  る二重課税と脱税を防止するための租税条約)を締結している国においては10%
  に引き下げられる。 
  (アメリカとの間では日米租税条約により免税される。) 

  なお、2013年から2037年までの間は、復興特別税(税率2.1%)が課税される
  ため、税率が20%の場合は併せて20.42%、10%の場合は併せて10.21%
  となる。

  租税条約の軽減税率の適用を受けるには、最初の支払いまでに所轄税務署に届
  出をする必要がある。

  なお、源泉徴収税を負担する者はライセンサーである。

 6.著作権侵害に対する対応 

  第三者の著作権侵害に対しては、原則としてライセンサーが権利侵害を排除すること
  になるが、独占的な契約の場合はライセンシーが債権者代位権(民法423条)を行使
  して差止請求することもできる。 

 7.契約期間、解除、終了に関する条項

  契約解除事由
   契約終了後の措置

 8.秘密保持に関する条項

  「ライセンサーにより秘密とされた事項及び、本契約の履行に関し知りえた秘密を第三
   者に開示してはならない」旨を明記 

 9.個人情報の取扱いに関する条項

  「著作物の使用及びそれに付随する業務において知り得た個人情報の目的外使用の
   禁止、漏洩、改竄の防止、それから第三者提供を禁止する」旨などを明記 

 10.契約内容の修正、変更に関する条項

   「書面によってのみ」変更できるよう明記するのが望ましい。

 11.紛争解決に関する条項

   紛争解決方法(調停、仲裁、あっせんなど)
  合意管轄(第一審の専属管轄裁判所の指定)

 12.準拠法(外国と取引する場合は必須条項)
    国際取引に関し紛争が発生し裁判となった場合、どこの国の法律を適用するかを
    決めること。

 13.不可抗力における免責(外国と取引する場合は必須条項) 

   「自然災害、火災、洪水、地震、嵐、戦争、内戦、テロ、あるいは、類似の事項を含む
    当事者のコントロールできない事由(不可抗力)による契約の不履行に対して責任
    を負わない」旨を明記 

 14.反社会的勢力を排除するための条項(反社会的勢力排除条項)

   暴力団関係企業など反社会的勢力と関係を有していないことを誓約させること、また
   は、契約後に相手方が反社会的勢力であることが判明した場合に、無催告で契約解
   除できるようにしておくことは、コンプライアンスを維持するためにも重要である。

   それに加え、契約を解除した側が損害賠償義務を負わない免責条項も盛り込むべき
   である。
   
    
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