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著作権担保活用ノススメ
「ソフトウェア開発会社、コンテンツ制作会社、ITベンチャー企業の方 必見!」

 近年、コンピュータ・情報通信技術の発達、またはブロードバンド通信を可能とするインタ
 ーネットの普及により、著作権など知的財産権の財産的価値は日々高まっております。

 逆に、土地や建物などの不動産はバブル崩壊後の長期にわたる地価の下落により、その
 財産的価値はかつてよりも減少しております。

 それに対応するため、日本政策投資銀行などの金融機関が市場性のある特許権、著作権
 などの知的財産権を担保とした融資(知的財産権担保融資)に活路を見出し、担保不動
 産を保有していない中小・ベンチャー企業などに対し積極的な融資を実施しております。

 また、2015年から特許庁は知財ビジネス評価書による融資(中小企業知財金融促進事
 業)への取り組みを支援しております。

 不動産など有形固定資産が不足している中小規模のコンテンツ制作会社、ソフトウェア開
 発会社、それから、ITベンチャー企業は新たな資金調達の手段として活用するようお勧め
 します。
                          
                                                    
 担保となる権利

 1.コンピュータプログラムの著作権
 2.アニメ、音楽などコンテンツの著作権
 3.出版権
 4.育成者権
 5.特許権(成立済の特許権、出願中の特許権) など 


 融資の方法

 1.質権の設定 (著作権の場合は質権が設定されることが多い)
 2.譲渡担保の設定
 3.信託権の設定


 著作権の評価方法

 原則.DCF法 (ディスカウントキャッシュフロー法)
       (日本政策投資銀行はこの手法を採用)

   担保とする知的財産権を使用しているビジネスが将来生み出す予測キャッシュフロ
   ー(収益)の現在価値を評価する方法。

   よって、対象企業が、担保となる著作権を使用するビジネスを行っている場合には、
   将来の製品の売上げの予測に基づいて、また、担保となる著作権を他社にライセン
   スしている場合には、将来の対価(ロイヤルティ)収入予測に基づいて、それぞれ各
   種のコストを差し引いてキャッシュフロー(収益)が算出される。  

 その他の評価方法

 1.原価法(コスト法)

  創作または開発、権利取得、維持など、知的財産権を保有するに至るまでに費やした
  過去の費用を足し合せたものが、当該知的財産権の資産価値であるとする評価法。

 2.類似取引事例比較法(マーケット法)

  類似する取引と直接比較する方法であり、評価しようとしている知的財産権と類似の
  知的財産の売買額または対価(ロイヤルティ)料率を調べて、適切な価格を推定する
  評価法。  


 著作権質権設定契約の特徴

 1.当事者間の意思表示のみで契約が成立すること。

  通常の質権設定契約は要物契約であるため、当事者が合意し、かつ担保となる目的
  物を質権者に引渡す必要があります。

  ところが、著作権に対する質権設定契約は諾成契約であるため、担保となる著作権を
  質権者に譲渡する必要はなく、著作権者の手元で使用収益することができます。

  なお、質権設定の登録は、権利関係を公示して第三者対抗要件を付与し、契約の円滑
  な履行を確保するために行う必要があります。

 2.質権者は自ら著作権を行使して収益を弁済に当てることはできないこと。

  質権設定においては流質契約が禁止されるため、質権の実行は、民事執行法167条
  の定める競売手続により行われます。
  ただし、商事債権を担保する場合は流質契約が可能です。

 3.物上代位が認められること。

  質権者は、著作権の譲渡対価、及び使用許諾の対価(ロイヤルティ)、その他のものに
  物上代位権を行使して優先弁済を受けることができます。
  その際、支払いまたは引渡し前に差押えする必要があります。 


 著作権譲渡担保契約の特徴 

 1.当事者間で担保となる著作権を譲渡する旨と、債務が弁済された場合には著作権を
   返還する旨の合意(諾成契約)により成立すること。

  債権者に著作権が移転する形となるが、使用権は失わないため債務者(著作者)は著
  作権を使用収益することができます。
  また、一定期間内に債務が弁済された場合は、著作権は債務者に戻ることになります。

 2.裁判所の競売手続によらず著作権を処分することができること。

  一定期間内に債務が弁済されなかった場合は、債権者は自ら著作権を行使して収益
  を弁済に当てることができます。


 担保権設定のスケジュール等 

              対象となる著作権の調査
                     (登録の有無、契約書の確認など)

                

           質権設定契約または譲渡担保契約の締結

          契約のポイント
           1.当事者(質権設定者、質権者(債権者)、債務者など)
           2.目的となる著作物の表示
           3.担保を設定する権利の表示
           4.前登録の年月日及び登録番号
           5.債権金額
           6.存続期間、利息、違約金、賠償額に関する定め
           7.著作権登録への協力義務など           

               

        質権の設定登録または著作権の移転登録申請(文化庁または、SOFTIC)
         (必要書類.申請書、明細書、契約書のコピー、登録免許税など)

               

                      審 査

                      

                      登 録

                      

                 登録済通知書の交付

  注)後に、債権金額の増加など質権の変更があった場合は質権変更の登録を、
    債務が弁済され質権が消滅した場合は質権抹消の登録(譲渡担保について
    は著作権を回復する登録)を申請しなければなりません。 


 知財金融促進事業  

 中小企業の知的財産の価値を知財ビジネス評価書を通じて「見える化」することで、金融
 機関から融資を受けられるよう支援するための特許庁の事業

 具体的には、知財ビジネス評価書の作成支援となっております。

 まず、金融機関からの要請を受けて、融資を検討している中小企業の知的財産を活用し
 たビジネスについての評価書(知財ビジネス評価書)を、特許庁と提携している調査会社
 などが無償で作成し、金融機関に提供します。

 金融機関は、知財ビジネス評価書により中小企業の特許や技術、ブランドなどが、どのよ
 うにビジネスに貢献し、利益を生み出しているのかを評価して融資の可否を検討すること
 になります。


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